製薬業界に「二〇%ルール」が必要だ

2012.03.23

各部署は自分たちの目標を満足させるために働き、創薬という複雑な過程全体を把握してコントロールすることができなくなってしまった。実際の患者を見たこともない研究者が何十人と寄り集まり、化合物と細胞、実験動物をひねくり回している現状から、果たして現場が求めるよい薬は生まれるのだろうか。何より問題なのは、短期的な成果によって給料や昇進が決められてしまうため、自分に与えられたミッション以外のことをやりたがらなくなる(やる暇がなくなる)点だろう。

(おすすめサイト)
医師募集 大阪
医師の募集 - 大阪府の募集 リクルートドクターズキャリア・医師キャリアサーチ
http://www.jamic.jp/kansai/list/pref/27/

福岡 医師募集
医師の募集 - 福岡県の募集 リクルートドクターズキャリア・医師キャリアサーチ
http://www.jamic.jp/kyushu-okinawa/list/pref/40/

自分の思いつきや、他の研究者との話し合いから出てきた新しいアイディアをこっそりと試してみる、通称「闇実験」はしばしば新しい研究テーマの母胎となってきたが、成果主義はこの文化を廃れさせてしまった。グーグル社が、公式の職務に使う時間を八〇%に抑え、勤務時間の二〇%は新しいチャレンジに充てるべしという社内ルールを定めているのは有名だ。変革期にある製薬業界にこそ、この「二〇%ルール」は最も必要なことであるはずだが、もはやその余裕は失われてしまった。成果主義制度によって導入された時間管理システムは、ある程度システマティックな研究体制整備に役立った面もあり、全てが無為に終わったわけではない。しかし、新しい発想の芽を伸ばす下地を失った影響は、数年から十数年後にじわりと表れてくることだろう。