ファッションシステムは欲望の上にある

2011.06.06

ファッションシステムは欲望の上に成り立っている。『ヴォーグ』誌上で社交界の名花が着ている服を見ることは、『アーキテクチュラルーダイジェスト』誌に出てくる邸宅に憧れたり、『デュポンーレジストリー』誌をぱらぱらめくって、高嶺の花のベントレーやアストンーマーチンを眺めたりするようなものである。社交家たちは、私たちがまず直接目にすることのないようなデザイナーズブランドの服を買えるだけの財力を使って身代わりになってくれているのだ。だが、ファッションヴィクティムというのはややこしいもので、興味津々でなめまわすように見ているリッチ・ビッチなくせに、嫉妬めいた気持ちもないわけではない。「ああいう金満女たちを眺めるのは大好き」。コネチカット州スタンフォードでウェブサイトの編集者をしている四九歳のリタが言う。「でも許せないのは、ただ、財力があるってだけで、実はあまり趣味がよくない連中が多いってことね。もしも彼女たちが、私たちみたいなしがない庶民のように、GAPやバナナーリパブリックなんかでワードローブを揃えなければならないとしたら、素敵に見えるかどうか怪しいものよ。でも、眺めていれば確かにファッションのアイディアはもらえるし、夢を見るのも悪くないわ」。